朝まずめ、夕まずめの魚類心理学的考察

  • 魚類心理学という分野の本を読んで見たのでメモ
心理学

魚の心をさぐる 魚の心理と行動 という本を読んだので参考になったところをメモします。

潜ってから考えるというアプローチでキジハタの行動パターンをもとに、朝まずめ、夕まずめについての実験を行っています。

まず、キジハタの実験。
早朝、昼間、夕方、深夜にそれぞれ潜って、キジハタの離底距離と水平移動距離を調べました。(距離は観測した個体数の中央値で出しているそうです。)
離低距離は、早朝0.3m、昼間0.2m、夕方0.35m、深夜0m。
水平距離は、早朝2m、昼間1m、夕方3m、夜0.5m。

早朝と夕方が移動距離が多いみたいですね。やはり、朝まずめ、夕まずめの 時間帯です。
深夜帯の観測した個体数が少ないので、移動している可能性は否定できないが、深夜は、 寝ている個体が多かったようです。


次の実験です。
早朝、昼間、夕方、深夜にそれぞれ潜って、魚類、甲殻類の個体数を数えるということをしました。

早朝が魚類約1000個体、甲殻類約20個体。
昼間が魚類約3000個体、甲殻類約1個体。
夕方が魚類約100個体。甲殻類約80個体。
深夜が魚類約20個体。甲殻類約100個体。

魚類の個体数は、昼間に多く、深夜に少ないことがわかる。逆に、甲殻類は深夜に多く、 昼間に少ないようです。


キジハタの行動パターンが餌の出現時間に一致していません。
魚を食べるのなら、昼間にたくさん移動したほうが良いし、エビカニを食べるのなら、深夜のほうが良いはずです。

なぜなのか。
一つに、真夜中は暗くて、キジハタにもエビカニが見えないから、夕方に食べるという説。

もう一つに、昼間は餌となる魚が大群でいるため、どこから攻めたらよいかわかりません。群れを作り始める早朝なら、寝起きで、襲いやすいという説です。

そのため、朝まずめ夕まずめが釣れるのではないかということです。


夜釣りで釣れる代表格の魚は眼が大きい魚種が多いです。
眼が大きければ光を多く集めることができるからです。
そのため、小さいときは昼しか活動しないけど、大きくなると夜に活動する魚もいます。

まずめどきによく釣れるというのは、魚類心理学的に考えると、釣果を期待できる大型魚が、早朝と夕方に餌を求めて活動するからという結論になります。










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